「喜ぶ者と共によろこび、泣く者と共になけ」 2022年1月30日
ローマの信徒への手紙12章15節
礼拝、集会に集まれないことは今や小学生も直面し、在宅でのオンライン授業に変わり、これまでの当たり前のことが出来なくなっている。それはイスラエルの民も経験してきた。エジプト王の圧政に苦しむイスラエルの民を神はエジプトから連れ出し、約束の地へ導いた。それは定住生活から移動生活への転換だった。学者たちはこうした転換を「新しいパラダイムの時」と呼ぶ。パラダイムとは物事の扱い方、見方の意。だが私たちはこうした変化に心と体がなかなかついていかない。今私たちめぐみ教会はこうした現実を受け止めながら神の導きに柔らかい心で対応していきたい、と思う。それが今29周年を迎える私たちの課題だと思う。
「20世紀後半は教職制から神の民全体に与えられた責任と働きという理解に移った。」と語ったのはボッシュ博士だ。この言葉をめぐみ教会に紹介してくださったのは今から2年前、2020年1月26日の創立記念礼拝に来てくださった柳沢美登里師だ。柳沢師の言葉通り、近年の教会は教職者、宣教師、牧師が減少し、教会の関心は信徒の働き重視にシフトしてきている。牧師の減少、そこから生じる牧師のいない教会がこれから増えてくるだろう。牧師の数が減る中、牧師が常駐しない教会という現実を受け入れ、信徒一人ひとりが、たとえ牧師が近くにいなくてもキリスト者として生きることを良しとするパラダイム転換の時代に入ろうとしている。「前のような生活になるのを今か今か、と待ち、心満たされない」生き方から「新しい環境がどんなになるか、と期待して希望をもつ」生き方に変える時が来ていると思う。ではどうしたらいいのか。めぐみ教会のビジョンの枠組みについてお話ししたい、と思う。
基本となるのはめぐみ教会の基本理念だ。「人間として人間らしく生きること」である。神がつくられた任務を遂行すること。神が人をつくられた目的にそって生きることである。これは教会がいつの時代であろうと変わることがない。
それを今、めぐみ教会が具体化するにはどうするか。
それは二つ。神につくられた人として、①神による成長を待つこと。そして②賜物を生かし合い、お互いを認め合うこと。私はこの二つが、パラダイム転換を求められる時代にめぐみ教会が生き抜くための大切な指針になる、と考えている。1 神による成長を待つこと。キリスト者の成長に欠かせないものを教会は大切にしてきた。それが「使徒信条」、「十戒」、そして「主の祈り」である。これを学びつつ、成長させてくださる神に期待したい。2 賜物を生かし合い、互いを認め合うこと。人は気心知れた人と会うのを良しとする。異なる人が来るとうまく対応できなくなる。しかし考えてみよう。神はユダヤ人以外の人々を教会に招かれた。そして世界の異民族に福音は拡がっていった。だから違う人に声をかけよう。み言葉が私たちの背中を押している。「喜ぶ者と共によろこび、泣く者と共になけ」と。賛美「小さな町があった」(荒瀬牧師作詞)の二節を賛美しよう。ちいさなまちのなかに いろいろな人が住む 違う一人ひとりに 主のまなざしが注ぐ 恵み、分かち合うため かべの外へ飛び出せ 恵み分かち合うなら めぐみは広がっていく と。神の恵みが一人ひとりに与えられている。神の恵みを分かち合うために私たちそれぞれが神に選ばれ、ここにいる。お互いを大切にしていく時、神の恵みは必ず広がっていく。主に期待して生きよ!